日田ごうばる耳鼻科・アレルギー科/耳鼻咽喉科・アレルギー性鼻炎

のどの病気

よくあるのどの症状

慢性咳嗽(まんせいがいそう)

咳(せき)が3〜8週間続くものを遷延性咳嗽、8週間以上続くものは慢性咳嗽と呼びます。咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔炎、胃食道逆流症などが原因になります。

咳喘息には吸入ステロイドや気管支拡張薬、アトピー咳嗽には第二世代抗ヒスタミン薬、副鼻腔炎にはマクロライド系の抗菌薬、胃食道逆流症にはプロトンポンプ阻害薬と呼ばれるような胃薬というように原因に応じて治療内容が様々です。

せきが長く続いており、お困りの方はお気軽にご相談ください。

咽喉頭炎(いんこうとうえん)

のどに粘膜に炎症が起きて痛みが生じている状態を咽喉頭炎といいます。一時的な症状のものを急性咽喉頭炎、1ヶ月以上続くものを慢性咽喉頭炎といいます。

主な症状としては「のどが痛い」、「イガイガする」、「声がかすれる」、「せきが出る」、「ものが飲み込みのくい」など様々です。

治療

急性咽喉頭炎はウイルスや細菌などの感染によるもので、治療は抗生剤の内服や重症の場合は点滴加療を行います。

慢性咽喉頭炎は長期間にわたる喉への刺激が原因で、代表的なものは喫煙や声の使いすぎなどです。

職業上、のどを酷使する方は注意が必要です。喉の炎症を抑えるお薬で治療したり、のどの使いすぎに注意が必要となります。

咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)

「のどに引っかかる」、「のどに何かできている」、「のどがイガイガする」など、のどの違和感が続くことで日常生活に支障をきたしてしまっている状態を咽喉頭異常感症といいます。

原因はかぜや咽喉頭炎などから発症することもありますが、その他にも副鼻腔炎や逆流性食道炎やタバコなど様々です。

副鼻腔炎を調べたり、喉の中を内視鏡で観察したりして、原因を探ります。

治療

内服薬を中心に保存的に経過をみます。腫瘍などが疑われる場合はしかるべき医療機関にご紹介いたします。

扁桃炎

急性扁桃炎(きゅうせいへんとうえん)

のどの痛みや発熱が主な症状としてみられます。症状がひどくなってのどが腫れると食事や水が飲みにくくなったり息苦しく感じたりします。

原因としては細菌とウイルスに分かれ、小児はウイルス性が多く、大人は細菌性が多いと言われています。

治療をしっかりと行わないと扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎など重症な疾患に進行する可能性があり、注意が必要です。

治療

軽症例では基本的に内服薬を中心に保存的に経過をみます。重症例や食事摂取困難な場合はしかるべき医療機関にご紹介いたします。

慢性扁桃炎(まんせいへんとうえん)

正確には反復性扁桃炎といいます。急性扁桃炎を複数回繰り返している状態のことを言います。

急性感染の症状が落ち着いている時には吸入薬やうがい薬等で保存的に経過をみますが、何度も繰り返し、社会生活に影響を生じている場合は手術療法をおすすめする場合もあります。

扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)

急性扁桃炎から重症化すると扁桃の奥の空間に膿瘍を形成し、重症化します。20〜30代によくみられ、解剖学的な理由により上方にできることが多いです。

片方だけにできることが多く、左右どちらかののどが痛い、38℃以上の発熱、耳への放散痛、口が開けにくい、しゃべりにくいなどの症状が出てきます。

検査としては造影剤を用いたCTが情報量が多く、治療としては抗生剤などの保存的加療に加え、膿が出せそうなら切開し排膿することが効果的です。

炎症が喉の奥にまで進み、呼吸への影響がある場合は入院での治療の必要性も出てくるため、しかるべき医療機関にご紹介いたします。

その他のどの病気

急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)

空気の通り道の蓋をする役割のあり喉頭蓋というところに細菌感染が起こることで起こる病気です。

症状としてはのどの痛み、発熱に加え、重症化すると空気の通り道にあるものが腫れますので呼吸がしにくくなります。内視鏡で実際に喉頭蓋を観察することで診断できます。

重症化すると窒息するリスクがありますので入院での点滴治療をおすすめします。窒息のリスクが高い場合は気管切開という空気の通り道を確保する手術が必要になる場合もあります。

咽頭腫瘍・咽頭癌(いんとうしゅよう・いんとうがん)

咽頭といわれる部分にできものができる病気です。乳頭腫や血管腫と言われる良性のものから咽頭癌といわれる悪性腫瘍などがあります。

症状は大きくなったり、進行したりしないと自覚しないこともあり、検診で指摘されたり、内視鏡検査を行ったりした際にわかることがあります。

咽頭の違和感や飲み込みにくさ、痰に血が混じるなどの症状が続く場合は一度耳鼻咽喉科専門医の受診をおすすめいたします。

喉頭腫瘍・喉頭癌(こうとうしゅよう・こうとうがん)

声がかすれる、食べた時にのどがしみる、のどのつまり感や首にしこりがあるなどの症状が続く場合は喉頭の腫瘍や悪性腫瘍の可能性があります。検査としては喉頭まで内視鏡を入れて観察する検査が有用です。

喉頭に腫瘍を認める場合は診断によって治療方法が異なる可能性があるため、一部を採取する組織検査が必要となります。

悪性腫瘍の場合は進行度によって音声の温存が可能となりますので早めの検査、治療介入をおすすめします。

口腔腫瘍・口腔癌(こうくうしゅよう・こうくうがん)

くちの中にできるできものは良性のものと悪性のものがあります。代表的なものは乳頭腫や血管腫と言われる良性のものから舌癌や口腔粘膜の悪性腫瘍などがあります。

手術が基本的な治療となりますが、悪性腫瘍の場合は治療計画も含めてしっかりと精査する必要があります。

内視鏡で観察したり、画像検査に加えて、実際に一部の細胞を検査に出して検査を行います。

頸部腫瘍・悪性リンパ腫(けいぶしゅよう・あくせいりんぱしゅ)

甲状腺という首の前方に存在する臓器や首の様々なところにあるリンパ節など、首にできものができて腫れたり、それが原因で圧迫感や呼吸困難感などの症状が出たりします。

多くは首が腫れてきたことを自覚したり、周りの人から指摘されて、わかります。内視鏡検査やCT検査を行うとともに、実際にできものに針を刺して検査をしたり、一部を採取して検査をする必要があります。

治療は腫瘍の種類によって違いますので、検査を行って検討します。

亜急性リンパ節炎(あきゅうせいりんぱせつえん)

菊池病ともいわれ、首のリンパ節が腫れて痛みと発熱が続く病気です。診断には採血や画像検査で行います。

1~3ヶ月で自然に治っていきますので症状に対して保存的な治療を行います。

ただし、悪性リンパ腫など腫瘍性の病気とも見極めが必要なため注意が必要です。判断が難しい場合はリンパ節生検を行う場合もあります。

流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)

ムンプスウイルスによる感染で起きます。症状が出ない不顕性感染もありますが、症状が出る場合は食欲不振、倦怠感、筋肉痛の後に、発熱とともに耳の後ろの耳下腺をはじめとした唾液腺が腫脹しますので古くから“おたふくかぜ“と呼ばれています。

基本的には安静と症状に応じた保存的な治療(投薬)が中心となりますが、まれに膵炎や脳炎、精巣炎、難聴を引き起こすことがあり、入院加療が必要な場合もあります。

味覚障害(みかくしょうがい)

味覚障害とはその名の通り味がわからなくなる状態ですが、似た症状で風味障害があります。風味障害はにおいがわからないために味の感じ方が弱くなるもので、嗅覚障害の一種です。

味覚障害の原因として多いものは亜鉛不足です。その他、お薬が原因で起こるものや自己免疫性疾患といわれる病気が原因で起きたり、末梢神経障害、脳梗塞、真珠腫性中耳炎、糖尿病など様々です。

治療としては亜鉛を含めた内服で経過をみます。治りが悪い場合は一度その他の原因がないか採血やMRIまでおすすめする場合もあります。

舌痛症(ぜっつうしょう)

舌にヒリヒリする違和感や痛みがありますが、見た目上は特に何も変化のない状態をいいます。40~50代の女性に多いです。

明らかな原因は不明です。ストレスや自律神経、ホルモンの乱れが影響していると言われておりますが、人によっては虫歯や入れ歯や義歯等の慢性的な機械的刺激が原因であることもあります。

舌に腫瘍やその他の病気がないことを確認するために、舌の診察に加え、カビの検査や亜鉛や鉄分の血液検査を行います。

特に異常がない場合はお薬の内服で経過をみます。明らかにストレスを抱えているようなエピソードがあり、心的ストレスが強い方には心療内科等もおすすめすることもあります。

唾石症(だせきしょう)

食事の際の首の腫れや痛みがよく見られます。顎下腺内、顎下腺から舌の下にまでのびる管の中に石ができる病気です。

成分はリン酸カルシウムとタンパク質からなり、歯石と似た成分です。単純CT検査で診断できます。排石できない場合や症状を繰り返す場合は手術の適応となり、しかるべき医療機関へ紹介いたします。

扁桃肥大症(へんとうひだい)

「へんとうせん」とよく耳にする臓器は正確には口蓋扁桃(こうがいへんとう)といいます。

口蓋扁桃の増大は2~3歳よりみられるようになり、7~8歳でピークを迎えるといわれております。その後は成人までには小さくなっていきますが、残存する人もいます。

症状はいびきも見られますが、問題になるには睡眠時無呼吸症候群です。特に小さなお子様では成長障害や発達障害につながる可能性もあり、注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群の重症度や反復性扁桃炎の頻度次第では手術をおすすめする場合もあります。

アデノイド増殖症(あぜのいどぞうしょくしょう)

アデノイドは咽頭扁桃(いんとうへんとう)と呼ばれます。

口蓋扁桃と同様に増大は2~3歳よりみられるようになり、7~8歳でピークを迎えるといわれております。そのことが原因で鼻づまりや鼻声、慢性副鼻腔炎、いびき、睡眠時無呼吸症候群の原因になります。

また、耳管という鼻と耳をつなぐ管の出口を塞ぐことで耳に水が溜まるタイプの中耳炎(滲出性中耳炎)の原因になることもあります。

大きくなったアデノイドが慢性副鼻腔炎、滲出性中耳炎、睡眠時無呼吸症候群の原因になっている場合は手術(アデノイド切除術)を検討する必要があります。

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)

睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に呼吸が止まってしまう状態が何度も繰り返す病気です。

大人では夜間のいびきや途中で目がさめる、朝起きた時に寝た気がしない、疲れが取れていないなどの症状がみられます。

高血圧、糖尿病、メタボリックシンドローム、心臓病、脳血管障害などのリスクとなります。

お子様ではいびき、無呼吸、寝付きの悪さに加えて、日中に落ち着きのなさや多動もみられ、重症例では発達障害や胸郭変形などにつながる場合もあります。

検査としては実際に空気の通り道に狭いところがないか内視鏡で観察したり、寝ている間に呼吸がどのくらい止まっているかを計測するPSG(polysomnography)という検査があります。

治療

生活習慣の指導に加え、CPAPといわれる寝ている間に機械と繋がったマスクを装着して起動を保つものがあります。また、口の中の空間が扁桃腺などで狭い方は扁桃摘出術などの手術を検討する場合もあります。